夏の強い日差しを遮り、テラスや窓辺を快適な空間に変えてくれるオーニング。しかし、台風のシーズンが近づくと、「せっかく設置したオーニングは大丈夫だろうか」「対策はこれで合っているのかな」と少し心配になりますよね。
そこでこの記事では、オーニングの専門メーカーである私たちBXテンパルが、メーカー公式の立場から、皆様が安心して台風シーズンを乗り切り、オーニングを安全にお使いいただくための大切なポイントを解説します。
基本的な準備から、便利なセンサーとの上手な付き合い方、もしもの時の対応まで。この記事を読めば、自信を持って台風に備え、大切なオーニングを末永く安全にご利用いただけます。
\オーニングの台風対策で注意するポイント/
目次
1.なぜ事前の対策が大切なの?オーニングを安全に使うためにずは基本から!
3.【専門家が解説】オーニングセンサーの役割と上手な付き合い方
メーカーとして推奨する最も基本的で重要な対策は、「台風のときには、必ずオーニングを収納していただくこと」です。適切な対策は、大切なオーニングを長く安全にご利用いただくために不可欠です。
万が一、強風でオーニングが破損した場合、その部品が隣接する建物や車、通行人に影響を及ぼす可能性も考えられます。事前に収納することで、こうした心配事を未然に防ぐことができます。
オーニングは建物の外壁にしっかりと固定されています。しかし、想定を超える強風で製品が破損すると、取り付け部分や周辺の外壁などを傷つけてしまうことがあります。オーニングだけでなく、大切なお住まいや店舗を守るためにも、事前の収納が重要です。
オーニングは大切な資産の一部です。破損してしまうと修理に費用がかかるため、適切な対策を講じることが、結果的に製品を長持ちさせ、経済的な負担を軽減することにも繋がります。
台風が接近しているというニュースを聞いたら、すぐに取り掛かるべき基本的な対策があります。どれも難しい作業ではありませんので、安全を最優先に、早めの行動を心がけましょう。
まず、これが全ての対策の基本であり、最も重要な原則です。
BXテンパル製品の取扱説明書では、風速10m/秒を超える強風、またはそれが予想される場合は、オーニングの使用を中止し、速やかに収納するよう定めています。
風速10m/sは、木の枝や葉が激しく揺れ、電線がヒューヒューと鳴り始めるくらいの強さです。台風の暴風域では、この基準をはるかに超える風が吹くため、オーニングを広げたままにしておくのは絶対に避けてください。
オーニングにはいくつかの種類があり、それぞれで対策が少し異なります。
見落としがちですが、オーニング周辺の安全確保も大切です。一般的な台風対策として、物干し竿や植木鉢、お子様のおもちゃなど、風で飛ばされる可能性のあるものは、ご近所への影響も考慮し、早めに室内へ移動させておきましょう。これにより、オーニング周辺の安全も確保できます。
オーニングには、より安全・便利にお使いいただくためのセンサー機能が付いたモデルがあります。「センサーがあれば安心」と考える前に、その役割と特性を正しく理解し、上手に活用することが大切です。
センサーは、急な天候の変化からオーニングを守るための補助的な安全装置です。主に2つのタイプがあります。
これらは、外出中の急な強風など、日常的な天候の変化には非常に有効な機能です。
便利なセンサーですが、知っておきたい特性があります。それは、センサーが作動するまでには、風や揺れを感知するためのわずかな時間が必要だという点です。
センサーは風や揺れを感知するまでに時間を要するため、取扱説明書でもご案内している通り、瞬間的に吹く「突風」には対応できません。
台風時に発生する可能性のある瞬間的な突風は、センサーが反応する前に製品へ影響を与える場合があります。そのため、メーカーとしては、台風の接近が予報されている場合は、センサーの有無にかかわらず、必ずご自身の判断で事前に手動で収納していただくことを、最も安全な使用方法として推奨しています。
また、電動タイプのオーニングは停電するとスイッチやリモコンでの操作ができなくなります。万が一、オーニングを広げたまま停電してしまった場合に備え、手動でも操作できる「電手動タイプ」は、防災の観点からも有効な選択肢です。
無事に台風が過ぎ去ったら、次にオーニングを安心してお使いいただくために、簡単な点検を行いましょう。
まず、オーニングを収納した状態で、ケースや本体に目立った歪みやへこみ、破損がないかを確認します。
また、ケースの隙間に落ち葉や小枝などが挟まっている場合があります。そのままオーニングを操作すると製品を傷める可能性があるため、先に取り除いておきましょう。
外観に異常がなければ、次は慎重に少しだけオーニングを広げ、以下の項目をチェックします。もし何か気になる点があれば、無理に操作せず、専門家へご相談ください。
収納ケースは完全防水ではないため、台風のような強い雨の場合、内部に水が浸入することがあります。製品を長くきれいにお使いいただくために、カビや生地の劣化を防ぐことが大切です。台風が過ぎ去り、よく晴れた日には一度オーニングを完全に広げ、キャンバスをしっかりと乾燥させてください。
万全の対策をしていても、想定を超える自然の力で製品が破損してしまう可能性はゼロではありません。万が一の事態に備え、冷静に行動するための手順を知っておきましょう。
まず、ご自身や周囲の安全を確保した上で、破損した箇所の写真を撮っておくと、後の状況説明に役立ちます。ご自身で修理しようとせず、必ずご購入いただいた販売店や施工店、またはBXテンパルの相談窓口へご相談ください。
修理には、ご加入の火災保険が利用できる場合があります。
一般的に、火災保険には台風などの強風による損害を補償する「風災補償」が付帯していることが多く、オーニングは「建物付属物」として補償の対象となる可能性があります。
メーカーの製品保証は、取扱説明書にも記載の通り、自然災害による故障は対象外となります。そのため、ご自身が加入されている保険の契約内容をご確認いただくことをお勧めします。
補償の詳細や保険金請求の手続きについては、ご契約の保険会社へ直接お問い合わせください。
これまでは台風への「対処法」について解説してきましたが、ここでは一歩進んで、オーニングの性能を常に最高の状態に保ち、末永く安心してお使いいただくための秘訣をご紹介します。
それが、日頃からの「定期メンテナンス」という考え方です。愛車を定期的に点検するように、オーニングも大切なパーツで構成されています。適切な時期に点検や部品交換を行うことは、製品の美しさと機能性を保ち、結果的にオーニングの価値を最大限に高める最良の方法です。
部品名 |
交換時期の目安 |
劣化のサイン |
モーター |
約5,000回往復 / 約5年 |
動作音が大きくなる、動きが遅くなる |
アーム |
約5,000回往復 / 約5年 |
きしみ音が出る、キャンバスの張りが弱くなる |
キャンバス |
約3~5年 |
色褪せ、硬化、汚れが落ちにくい |
手動ギア |
約3,000回往復 / 約3年 |
ハンドル操作が重くなる、空回りする |
※上記の年数や回数はあくまで目安です。使用頻度や設置環境によって異なります。
「最近、動きがおかしいな」と感じたら、それはメンテナンスのサインかもしれません。お気軽に専門家へご相談ください。
今回は、メーカーの視点からオーニングの台風対策について詳しく解説しました。大切なのは、正しい知識を持って、事前に備えることです。
正しい知識と早めの準備が、あなたの大切なオーニングを台風から守ります。この記事が、皆様の不安を解消し、安全で快適なオーニングライフの一助となれば幸いです。
製品に関するご相談やメンテナンスのご依頼は、BXテンパルまでお気軽にお問い合わせください。