「夏になると2階だけが暑く、エアコンをつけてもなかなか涼しくならない」とお悩みではありませんか?天窓(トップライト)のあるお住まいでは、「天窓の下に立つと日差しの熱をはっきり感じる」という声をいただくことがあります。明るさと開放感のために選んだはずの天窓が、夏だけは悩みの種になってしまう。そうした状況は決して珍しいものではありません。
近年は猛暑日が増え、住まいのなかの暑さが改めて見直されています。総務省消防庁のまとめでは、2025年5月から9月に熱中症で救急搬送された方は100,510人で、そのうち38.1%は「住居」で発生しています。屋外だけでなく、室内の暑さにも目を向けたいところです。
天窓の暑さは、日差しを「どこで遮るか」を見直すことで、和らげることができます。天窓は屋根に付いているぶん、壁の窓とは日差しの当たり方がまったく違います。その違いさえわかれば、明るさや開放感を手放さずに、夏の暑さだけを抑えることも可能です。
本記事では、天窓が暑くなる理由と、室内側・屋外側で変わる暑さ対策の効果、日よけの選び方について、専門的な用語はできるだけ使わずに解説します。ぜひ参考にしてください。
\天窓の暑さ対策のポイント/
目次
6.まとめ
「同じ大きさの窓なのに、壁の窓より天窓のほうがずっと暑く感じる」。そう感じられるのには、はっきりとした理由が3つあります。まずは、天窓が夏に暑くなる仕組みから見ていきましょう。
夏の太陽は、空の高いところを通ります。そのため、真上を向いた面ほど日差しを強く受けることになります。真夏の昼間、アスファルトの地面が焼けるように熱くなるのと同じで、上を向いている屋根は、家のなかでもっとも日差しが集まる場所です。
住宅の省エネ性能を国の決まりに沿って計算するときも、この違いははっきりと数値で区別されています。屋根に付いた窓は、南向きの壁の窓とくらべておよそ2倍、西向きの壁の窓とくらべてもおよそ2倍の日差しの熱を受けるものとして扱われます。同じ大きさ、同じガラスの窓でも、付いている場所が違うだけでこれだけの差が出るのです。
出典:国立研究開発法人建築研究所「外皮の日射熱取得の計算方法」
天窓は、少ない面積で効率よく明るさを取り込める窓です。裏を返せば、熱も同じくらい効率よく取り込んでしまう窓だということになります。
壁の窓であれば、軒や庇を伸ばすことで夏の高い日差しを遮ることができます。先ほどの建築研究所の資料でも、南向きの窓に庇を付けると、入ってくる日差しの熱をおおむね半分に減らせるとされています。
ところが天窓の場合、同じ資料での低減は1割ほどにとどまります。屋根の上から日差しがほぼ真っすぐ当たるため、軒や庇で影をつくること自体が難しいのです。天窓の日差しは、窓のすぐそばで遮るしかない、ということになります。
暖まった空気は軽くなって上へ移動します。吹き抜けや勾配天井のあるお住まいでは、家じゅうで暖まった空気が天井の近くに集まります。そこに天窓からの熱が加わることで、上の階だけが際立って暑くなるという状態が生まれます。
この「熱のたまり場」は、冷房の効きにも影響します。エアコンが冷やした空気は下にたまり、天井近くの暖かい空気は動かないままになりがちです。設定温度を下げても涼しく感じないというときは、こうした空気の流れが関係している場合もあります。
なお、上の階が暑い原因は天窓だけとは限りません。屋根の断熱、小屋裏の換気、西向きの窓など、いくつかの要因が重なっていることもあります。天窓の対策をしても改善しない場合は、ほかの原因もあわせて確認するとよいでしょう。
▶2階が暑くなる原因と対策についてはこちら
天窓の暑さ対策には、室内側にスクリーンを付ける、遮熱フィルムを貼る、ガラスを交換する、屋外側に日よけを付ける、天窓そのものを塞ぐなど、いくつもの方法があります。どれを選ぶかを考える前に、まず知っておきたいのが「日差しを室内側で遮るか、屋外側で遮るか」という違いです。
窓に当たった日差しの熱のうち、どれくらいが部屋のなかに入ってくるかを、0から1までの数字で表したものがあります。1に近いほどそのまま入ってきて、0に近いほど遮れている、という見方をします。国土交通省の研究所が実際に測った値を並べると、次のようになります。
| 日差しを遮る方法 | 入ってくる熱の割合 |
|---|---|
| レースカーテンだけ | 0.50 |
| レース+厚手のカーテンの二重 | 0.40 |
| 室内側のブラインドを閉める | 0.35 |
| 屋外側のルーバーを閉める | 0.02 |
出典:国土技術政策総合研究所「自立循環型住宅への設計ガイドライン」第6章 開口部・日射遮蔽計画
同じように「閉めている」のに、室内側と屋外側では入ってくる熱の量がまったく違うことがわかります。室内側のブラインドが0.35なのに対し、屋外側は0.02。カーテンを二重にするより、外側に1枚遮るもののほうが効くのです。
理由は難しくありません。室内側のスクリーンに日が当たっている時点で、熱はもうガラスを通り抜けて部屋のなかに入っています。日を浴びた生地は温まり、小さなストーブのように部屋へ熱を放ちます。屋外側で遮れば、生地が温まってもその熱は外の風に流れていきます。この差が数字の開きになって表れているのです。
なお、この測定は開かない窓での実験であり、天窓で測った値ではありません。それでも、遮る位置で効果が変わるという傾向は、天窓にも当てはまると考えられます。住宅の省エネ性能を計算する国の決まりでも、日よけとして数に入れられるのは屋外側に付けるものだけとされています。
出典:建築研究所「エネルギー消費性能計算プログラム 第四節 日射熱取得率」
屋外側で遮る以外にも、有効な方法はあります。それぞれに向いている場面と、先に知っておきたい注意点があります。
・遮熱タイプのガラス(Low-Eガラス)に交換する:ガラスそのものの性能で日差しを抑える方法です。ただし遮熱タイプでも、日差しの熱の4割ほどは部屋に入るとされています。天窓は日差しを受ける量がもともと多いため、ガラスを替えるだけでは物足りなく感じることもあります。
・遮熱フィルムを貼る:手軽に取り組める方法ですが、ガラスの種類によっては「熱割れ」といって、温度差でガラスにひびが入るリスクが高まります。特に、ワイヤーの入った網入りガラスや、2枚重ねの複層ガラス、色の濃いフィルムは注意が必要とされています。天窓は火災に備えて網入りガラスが使われていることも多いため、貼れるかどうかを先に確認しておきたいところです。
出典:スリーエム ジャパン「熱割れ」
・天窓を塞ぐ・撤去する:暑さの悩みは収まりますが、明るさと開放感は失われます。また、部屋に必要な明るさが足りているかを法律で確かめるとき、天窓は同じ面積の壁の窓の3倍として計算されます。それだけ大きく数えられていた窓を塞ぐと、部屋が法律上必要な明るさを満たさなくなることがあります。実際の扱いは窓の位置や部屋の条件によって変わるため、塞ぐ前に設計者や施工業者に確認しておきたいところです。
出典:e-Gov法令検索「建築基準法施行令 第20条」
どの方法が向いているかは、天窓の大きさや位置、ガラスの種類、屋根の形などによって変わります。特に明るさや煙の排出にかかわる部分は、建物の規模や用途、自治体によって扱いが分かれるため、工事を決める前に設計者や施工業者に確認しておくことをおすすめします。
▶窓の暑さ対策とオーニングの効果についてはこちら
「屋外側で遮るのがよいのはわかったけれど、屋根の上に日よけなんて付けられるのだろうか」。そう感じられる方も多いのではないでしょうか。ここでは、天窓の日よけを選ぶときに比べたい4つの観点と、屋外側に付ける場合に業者へ確認しておきたいことを整理します。
室内側のロールスクリーンやハニカムスクリーンは、屋根に手を入れずに設置でき、費用も抑えやすい方法です。眩しさを和らげたい、家具や床の日焼けを防ぎたいという目的なら、十分に役割を果たします。一方、部屋の温度そのものを下げたい場合は、前の章で見たとおり屋外側のほうが有利です。「眩しさ対策なのか、暑さ対策なのか」を最初に切り分けておくと、迷いにくくなります。
操作棒やチェーンで動かす手動タイプは、仕組みがシンプルで導入しやすい方法です。ただし天窓が高い位置にあると、毎日の開け閉めが負担になり、結局は閉めっぱなし、あるいは開けっぱなしになってしまうことがあります。電動タイプなら、スイッチやリモコンで動かせるため、その日の天気に合わせた使い分けを続けやすくなります。
「日よけを付けたら部屋が暗くなるのでは」と心配される方も少なくありません。生地には、光をしっかり遮る無地のタイプと、細かな穴が開いたメッシュタイプがあります。メッシュタイプなら、日差しを和らげながら明るさや外の景色をある程度残すことができます。せっかくの天窓の明るさを活かしたい場合は、こちらが向いています。
見落とされがちなのが、冬の日差しです。フィルムやガラスの交換、天窓を塞ぐ方法は、一度行うと一年じゅうその状態が続きます。つまり、冬のあたたかい日差しも同時に手放すことになります。開け閉めできる日よけであれば、夏は閉じて日差しを遮り、冬は開いて日差しを取り込むという使い分けができます。
屋根の上は、壁とは条件が違います。日よけを屋外側に付ける場合は、次の4点を施工業者に確認しておくと安心です。
・屋根の傾きに合わせられるか:屋根の勾配は建物ごとに異なります。その角度に生地を張れる製品かどうかが、最初の確認事項になります。
・雨漏りしない取り付け方法か:屋根の下には防水のための層があります。取り付けのために屋根に穴を開けると、そこが将来の雨漏りの入口になる恐れがあります。屋根の納まりを理解している業者に任せることが大切です。
・風への備えがあるか:屋根の上は建物のなかでもっとも風を受けやすい場所です。強風のときに生地を自動で巻き取って収納する機能があると安心できます。
・電源と操作の場所:電動にする場合、電気をどこから引くか、配線をどこに通すかを先に決めておく必要があります。配線の通り道は、仕上がりの見た目にもかかわります。
なお、設置もその後の点検も高いところでの作業になります。脚立や梯子での作業には転落の危険が伴い、屋根の上は傾いているため足元も安定しません。取り付け後の手入れをどうするかまで含めて、あらかじめ相談しておくとよいでしょう。
▶住宅に適した日よけの種類と選び方についてはこちら
BXテンパルの「ソラシスⅡ」は、天窓やサンルーム、パーゴラの上に取り付ける屋外設置型のシェードです。前の章で挙げた観点に照らして、どのような特徴があるのかをご紹介します。
生地を張る角度は0°から90°まで対応しており、ほぼ平らな面から、傾いた屋根の面、さらに垂直な壁の面まで、同じ製品で設置できます。「うちの天窓は傾いているから日よけは無理だろう」と諦めていた場所にも、選択肢が生まれます。
操作は電動で、オプションでリモコンにも対応します。吹き抜けの上や2階の天窓など、手の届かない場所でも、その日の天気に合わせて開け閉めができます。取り付けられる高さは、一般的な戸建住宅の2階、集合住宅の2階までが対象です。夏は閉じて日差しを遮り、冬は開いて日差しを取り込むという使い分けを、無理なく続けることができます。
生地は、メロディー・キャンバス26色と、細かな穴が開いたソラシス・メッシュキャンバス12色から選べます。どこまで明るさを残したいかに応じて選べるため、天窓本来の明るさを活かしながら暑さだけを抑える、という使い方も可能です。
・間口:1,500mmから3,000mm
・出巾:1.5m/2.0m/2.5m/3.0m
・生地を張る角度:0°から90°
・操作方法:電動/電動リモコン(オプション)
屋根の上は、建物のなかでもっとも風を受けやすい場所です。ソラシスⅡは、オプションで風力センサーに対応しています。風が強くなると生地を自動で巻き取って収納するため、外出中や就寝中など、その場にいないときでも生地を出したままにせずにすみます。設置場所の条件によって必要な仕様は変わりますので、詳しくは施工業者にご確認ください。
取り付けられるかどうかは、天窓の大きさや屋根の形、下地の状態、電源の位置などによって変わります。現場の条件によって判断が分かれるため、詳しくは専門業者による確認が必要です。
天窓の暑さ対策について、お問い合わせをいただくことの多い質問をまとめました。
室内側のロールスクリーンであれば、手の届く高さで、しっかり固定できる下地があればご自身で取り付けられる場合もあります。ただし天窓は上を向いたままの作業になるため、思った以上に体勢が不安定になります。壁や天井が石膏ボードだけだと、うまく固定できないという声もあります。屋外側については、屋根の上での作業に転落の危険が伴うほか、取り付け位置を誤ると屋根の防水を傷める恐れがあります。屋外側の設置は、施工業者への依頼をおすすめします。
遮熱フィルムには日差しの熱を抑える効果がありますが、ガラスの種類によっては貼れない場合があります。網入りガラスや2枚重ねの複層ガラスは、温度差でガラスにひびが入る「熱割れ」のリスクが高まるとされており、ガラスメーカーの保証でフィルムの貼り付けが対象外とされていることもあります。天窓は網入りガラスが使われていることも多いため、貼れるかどうかはガラスの種類と保証の内容をあわせて、施工業者にご確認ください。
暑さの悩みは解消されますが、確認しておきたい点がいくつかあります。天窓は部屋の明るさを確保する窓として法律の計算上で有利に扱われているため、塞いだ結果、部屋が必要な明るさを満たさなくなる可能性があります。煙を外に出す設備としての扱いについても、自治体によって考え方が分かれるとされています。また、屋根の防水をやり直す工事になり、足場が必要になることもあります。ケースによって異なるため、塞ぐことをお考えになる前に、まずは日差しを遮る方法で改善できないか、あわせてご相談ください。
天窓が夏に暑くなるのは、屋根という「日差しがもっとも集まる場所」に付いているからです。国の省エネ計算の決まりでも、屋根に付いた窓は南向きの壁の窓のおよそ2倍の熱を受けるものとして扱われます。しかも軒や庇による低減は1割ほどしか期待できないため、窓のすぐそばで遮ることが要点になります。
対策を選ぶときは、「どこで遮るか」を先に決めると迷いにくくなります。室内側のスクリーンは眩しさや日焼けの対策として有効ですが、部屋の温度そのものを下げたい場合は屋外側のほうが有利です。フィルムやガラスの交換、天窓を塞ぐ方法にもそれぞれ役割がありますが、ガラスの種類による熱割れや、部屋の明るさにかかわる法律上の扱いなど、先に確認しておきたい点があります。
屋外側に日よけを付ける場合は、屋根の傾き、雨漏りしない取り付け、風への備え、電源と操作の4点を業者に確認しておくと安心です。そのうえで、手動か電動か、生地は遮るか透かすか、夏と冬で使い分けられるかという観点から選ぶとよいでしょう。
▶夏の西日対策についてはこちら
BXテンパルは、オーニングやサンシェードをはじめとする日よけ製品のメーカーとして、屋外側で日差しを遮るという方法をご提案しています。天窓の暑さ対策をご検討の際は、お住まいの条件に合わせて最適な日よけをご提案いたしますので、お気軽にご相談ください。