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キャンバスの選び方とは?|素材の特徴と用途に応じたテント生地の選び方

キャンバスの選び方とは?|素材の特徴と用途に応じたテント生地の選び方

オーニングやデザインテントを最も印象づけるキャンバス。
キャンバスはオーニングの天幕、テント生地のことで、いわばオーニングの”主役”です。
キャンバスの色や材質はオーニングそのものにとどまらず、設置する建物の印象を大きく左右します。素材の種類や色柄、光沢、性能の違いなど、様々な種類があるため、キャンバス選びは非常に悩むところです。

今回は、素材ごとの特徴や用途に応じたテント生地の選び方を、オーニング専門メーカーの視点でお伝えします。

 

1.キャンバス・テント生地の種類と特徴


テント生地にはポリエステルをはじめ、素材によっていくつかの種類があります。ここでは素材ごとの特徴を詳しくご説明します。

 

【ポリエステルキャンバス(マット調/エナメル調)】

ポリエステルは最もスタンダードな素材で、紫外線に強く、1日中太陽の光にさらされていても劣化しにくいという特徴があります。また、ポリエステル繊維を塩ビ樹脂コーティングによって挟み込み、塩ビ・フッ素コート加工を施しているので、高い撥水効果があり、汚れがつきにくく、汚れてもウエスなどで表面の汚れをふき取る事なども可能です。吸湿性が低く、防水性能が高いので雨の日の使用にも適しています。軽量ながらも耐久性に優れていて、シワなどもつきにくく、素材としてバランスの取れた生地となっています。日よけにも雨よけにも使いたいという方には、ポリエステルキャンバスをおすすめします。

ポリエステルキャンバス構造概略図
ポリエステルの中でも光沢のないマット調のキャンバスは、最も人気が高く、価格・機能性・耐久性などのバランスが良く、店舗や各種施設などオールマイティーにご活用頂けます。

ポリエステルキャンバス(マット調)施工事例
ポリエステルキャンバス(マット調)製品
  • メロディー(BXテンパルオリジナルキャンバス)
  • リズナー
  • クールテントソフト
  • ニューパスティ

一方で、光沢のあるエナメル調のキャンバスは、明るい原色カラーが多く、幼保施設や居酒屋、工場などにおすすめです。

ポリエステルキャンバス(エナメル調)施工事例
ポリエステルキャンバス(エナメル調)製品
  • クールテント
  • テトロン
  • ハリケーン
 

【エコキャンバス】

再生可能なポリエステルを使用したエコキャンバスは、高級感溢れるコットン調の風合いと鮮やかな発色が特徴です。表面に撥水加工が施されているので、軽微な雨程度であれば雨よけとしての使用も可能ですが、強い雨天の際などにはポタポタと雨水が垂れてくる場合があります。また、裏面にはウレタン加工が施されているので、生地の裏面に日光などの紫外線が当たると劣化が加速してしまうため注意が必要です。原着織物のため色あせには優れており、日よけメインとしてご使用になりたい方におすすめです。

エコキャンバス構造概略図
エコキャンバスは、そのプレミアムな質感と見た目の高級感から住宅や病院、美容院やアパレルショップなどにおすすめです。

エコキャンバス施工事例
エコキャンバス製品

  • ソルテリア
  • シャガール
  • シャガールアート
 

【アクリルキャンバス】

アクリル原着繊維を使用したサンブレラは、発色性、耐候性に優れ、色あせにも強く、長期間美しさを保つのが特徴です。コットンのような風合いで、デザイン性や質感に優れていますが、防水性能は劣るため、雨の日の使用には不向きな生地となっています。また、非防炎のキャンバスが多いため、キャンバス選定の際には注意が必要です。原料段階で着色するアクリル原着糸を使用しているので、退色堅牢性に優れており、屋外で長期間紫外線に曝されてもほとんど色褪せる事がないので、日よけメインとしてご使用になりたい方、質感を重視される方におすすめです。

アクリルキャンバス構造概略図
アクリルキャンバスは、デザイン性や質感を重視する住宅や店舗におすすめです。

サンブレラ施工事例
アクリルキャンバス製品

  • サンブレラ
 

【遮熱キャンバス】

遮熱強化機能を持つ遮熱キャンバスは、太陽光に含まれる赤外線をより反射し、生地そのものの温度上昇を抑えるため遮熱効果に優れています。
トゥギャザーは、フッ素樹脂コート加工によって表面に汚れが付きにくく、遮熱性能、防水性能、UVカット機能にも優れたキャンバスです。
サマーシールド🄬はポリエステルに酸化チタンを高含有する白色フィルム、カーボンブラックを高含有する黒色フィルムを重ねた特殊三層構造で抜群の遮熱性能を持つのが特徴です。

遮熱キャンバス構造概略図
遮熱キャンバスは通常のキャンバスに比べて遮熱効果が高いため、夏の強い日差し対策が必要な屋外空間におすすめです。

遮熱キャンバス施工事例
遮熱キャンバス製品

  • トゥギャザー
  • サマーシールド🄬
 

【光触媒防汚キャンバス】

特殊な酸化チタン層をコーティングした光触媒防汚キャンバスは、酸化チタンの光触媒作用による有機分解機能と優れた親水性効果で、高い防汚性能を発揮し、テントを美しく保ちます。酸化チタンに日光などに含まれる紫外線が当たることで、光触媒の有機分解機能がテントに付着した油分などの有機汚れを分解し、親水性を持たせることで、生地表面に付着した汚れを落ちやすくしています。ただし、設置場所や向き、傾斜などにより光触媒効果が十分に発揮されない可能性や、巻取式オーニングの製品特性上、光触媒機能の発現条件が満たされず、防汚効果が十分に発揮されない場合があります。

防汚キャンバス構造概略図
生地表面に特殊な酸化チタン層をコーティングすることによって高い防汚性能を発揮するため、店舗用デザインテントなどにおすすめです。

エクサランス防汚効果※エクサランスと現在一般に市場で使用されているテント生地について、屋外暴露での防汚性能を比較実験してみました。
写真は屋外暴露1年を経たものですが、エクサランスにはほとんど汚れが付着していません。


光触媒防汚キャンバス製品

  • エクサランス

 

2.キャンバス・テント生地の経年劣化

テント生地は屋外で使用するため、雨風や紫外線にさらされることによって経年劣化します。また、雨水で流された建物の汚れをテント生地でキャッチすることで汚れが発生します。テント生地の種類によって、経年劣化の進行具合や汚れやすさに違いがあるのかどうか、キャンバスを選ぶ際には生地の性能や色味の違いを把握しておくことも重要です。

【テント生地の種類による汚れやすさ】
光触媒防汚キャンバスは酸化チタンコーティングで、ポリエステルキャンバスは表面の塩ビ樹脂とフッ素コーティングで汚れの定着を防ぎます。それに比べて、エコキャンバスやアクリルキャンバスは、風合いを活かすためコーティングは施されておらず、基布自体への撥水加工のため、防汚性能は相対的に下がってしまいます。

【色味による汚れやすさ】
屋外利用のテント生地は必ず汚れは発生しますが、色味の薄い生地はよりその汚れが目立ちます。
ホワイト、ベージュ、アイボリーなど、外壁色にあわせて色選びをする際は、一定の汚れは避けられません。

【色味による退色のしやすさ】
色味の濃い生地は汚れは目立ちづらいですが、一方で日当たりの良い場所では色あせが発生する場合があります。

キャンバス経年劣化

 

3.キャンバス・テント生地のメンテナンス方法

では、実際にオーニングを設置したあとのテント生地を長持ちさせるコツやメンテナンス方法について具体的なポイントをお伝えいたします。

【テント生地を長持ちさせるコツ】
雨でテント生地が濡れた際には、必ず日光に当てて乾かすように心がけましょう。濡れたまま収納するとカビや苔が発生する原因となります。
また、劣化を防ぐためには使用環境も重要です。大雨や雪、台風での使用はテント生地が伸びてしまったり、破れてしまう原因となります。
「オーニングは必要なときに広げて、使わないときには収納する」
テント生地のみならず、オーニング本体自体を長く使い続けるのに大切なポイントです。

【テント生地のクリーニング】
テント生地のクリーニングは非常に難しいです。
掃除方法としては、台所用中性洗剤を加えたぬるま湯に浸した柔らかい布を固く絞り、汚れを拭き取ります。作業は必ず天気の良い日に行い、しっかりと乾かします。
使用する洗剤については、表面加工に悪影響を及ぼさないためにも、オーニングの生地の種類を確認し、使用可能かどうかを必ず確認してください。表面の撥水効果が薄れてしまうと、雨が降ったときに汚れが内側まで浸透してしまう可能性があります。特にエコキャンバスやアクリルキャンバスは撥水性能が低いため、クリーニングした結果、前よりも汚れがひどくなることもあるため注意が必要です。
また、オーニングは高所に設置されているため、ご自身でのお掃除は危険な場合もありますので、安全のためにも専門の業者にご相談ください。

【テント生地の張替え】
本体はそのままで、テント生地の張替えができるのがオーニングのメリットです。
テント生地を張替え、オーニング本体を磨き上げれば新品同様に生まれ変わらせることができます。
BXテンパルでは、3~5年が張り替えの目安とお伝えしていますが、お客様に最適な張替え時期はそれぞれ異なります。
例えば、オーニングを意匠・デザイン用途で使用している場合は、生地の汚れや経年劣化が張替えの目安となりますが、オーニングを日よけ雨よけの用途で使用している場合は、本格的に破れや劣化が進んだタイミングが張替えの目安となることでしょう。

キャンバス張替イメージ
 

4.まとめ

ここまで、テント生地の種類の違いをお伝えしてきました。
まとめると下の図のようになります。

  防炎 防水
撥水
質感 防汚性能 耐退色性
ポリエステル
(マット調)
防炎
ポリエステル
(エナメル調)
防炎
エコキャンバス 防炎
アクリルキャンバス 非防炎
遮熱キャンバス 防炎
光触媒防汚キャンバス 防炎

お客様の設置環境や使用条件、重視したいポイントによって最適なテント生地は変わると思います。こちらのコラムがテント生地選定のヒントとなれれば幸いです。

生地見本帳やサンプルのご提供もできますので、お問い合わせフォームよりお気軽にお申し付けください。
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