【徹底比較】オーニングとパーゴラの違い7つとシーン別の選び方

「夏の日差しが強すぎて、せっかくの庭やウッドデッキに出られない…」
「カフェのテラス席を始めたけれど、急な雨でお客様をがっかりさせてしまう…」
「もっとおしゃれで、快適に過ごせる屋外空間が欲しい!」
マイホームの庭や店舗のテラスなど、「この屋外空間をもっと素敵に活用したいのに…」と、理想と現実のギャップに悩んでいませんか?強い日差しや突然の雨は、屋外で過ごす心地よさを半減させてしまいます。
これらの悩みを解決する代表的なアイテムが「オーニング」と「パーゴラ」です。どちらも日差しを遮り、快適な空間を生み出すための設備ですが、名前が似ているからといって安易に選んでしまうと、「こんなはずではなかった…」と後悔につながることも。
実は、この2つは機能や特徴、得意なことが大きく異なります。
この記事では、住宅のお施主様や店舗・施設のオーナー様に向けて、オーニングとパーゴラそれぞれの特徴を徹底的に比較し、あなたの目的や設置場所に合わせて最適な選択ができるよう、分かりやすく解説していきます。理想の屋外空間を実現するための、最初の大きな一歩を踏み出しましょう。
\オーニング・パーゴラの違いとポイント/
- POINT1
- オーニングは日よけ、パーゴラは空間づくりの建材!
- POINT2
- オーニング✕パーゴラ、いいとこ取りの選択肢もあり!
目次
1.まずは基本から!オーニングとパーゴラ、それぞれの特徴とは?
2.【徹底比較】オーニングとパーゴラ、7つの違いを一覧表でチェック!
5.いいとこ取りの第3の選択!進化した「パーゴラオーニング」
7.まとめ
1.まずは基本から!オーニングとパーゴラ、それぞれの特徴とは?
具体的な比較に入る前に、まずはオーニングとパーゴラがそれぞれどのようなものなのか、基本をしっかりと押さえておきましょう。
オーニングとは?【布製の可動式テント】
オーニングとは、ひと言でいえば「建物の壁に取り付ける、巻き取り可能な布(キャンバス)製の日よけ」のことです。ヨーロッパの街並みで、カフェやブティックの店先についているおしゃれな日よけをイメージすると分かりやすいでしょう。
ハンドルや電動モーターを使って、必要な時にだけアームを伸ばしてキャンバスを張り出し、不要な時や天候が悪い時にはコンパクトに収納できるのが最大の特徴です。
- 主な用途: 日よけ、節電対策、軽い雨よけ、プライバシー保護
- 特徴:
- 可動式: 季節や天候、時間帯に合わせて日差しの入り方を調整できる。
- デザイン性: キャンバスの色や柄が豊富で、建物の外観をおしゃれに彩る。
- 省スペース: 使わない時は壁際にスッキリと収納できる。
主にリビングの掃き出し窓や店舗の入口など、建物に隣接した場所の日差しをコントロールする目的で設置されます。
パーゴラとは?【柱と梁で構成される構造物】
パーゴラは、「柱を立てて、その上に格子状や平面の屋根を組んだ屋外の構造物」を指します。もともとはイタリア語でぶどう棚を意味し、日本では藤棚がその代表例です。
柱と梁で骨組みを作るため、それ自体が空間の骨格となり、立体的な広がりを生み出します。オーニングが「日よけの道具」であるのに対し、パーゴラは「空間を作るための設備」という側面が強いのが特徴です。
- 主な用途: 屋外空間の骨格づくり、植物(つる性植物)の誘引、シェードや屋根材と組み合わせた日よけ・雨よけスペースの創出
- 特徴:
- 空間創造: 庭の中に「もうひとつの部屋」のような独立した空間を生み出す。
- 高いカスタマイズ性: 素材(木製、アルミ製など)やデザインが自由。屋根材(ポリカーボネート、シェードなど)を後から追加することも可能。
- 耐久性: 構造物としてしっかりしているため、耐風性に優れる。
庭の真ん中やウッドデッキの上など、壁がない場所にも独立して設置できるのが大きなメリットです。
2.【徹底比較】オーニングとパーゴラ、7つの違いを一覧表でチェック!
それぞれの基本がわかったところで、いよいよ両者を具体的に比較していきます。どちらがご自身の希望に合っているか、以下の7つのポイントでチェックしてみてください。
比較項目 |
オーニング |
パーゴラ |
どちらが向いているか |
1. 主な機能 |
日よけ(可動式) |
空間づくり |
手軽に日差しを調整したいならオーニング。空間演出から始めたいならパーゴラ。 |
2. 雨よけ性能 |
△(小雨程度) |
△~◎(屋根材による) |
雨天でも使いたいなら、迷わず屋根付きパーゴラ。(要・建築確認) |
3. 耐風性能 |
△(強風時は収納必須) |
◎(構造物として安定) |
風の強い地域や高層階のベランダならパーゴラが安心。 |
4. デザイン・開放感 |
壁付けでスッキリ。 キャンバスのデザインで建物の印象を変えられる。 |
柱があり空間を仕切る効果。 開放感があり、立体的な空間を演出できる。 |
建物と一体感のあるデザインならオーニング。庭に独立したおしゃれな空間が欲しいならパーゴラ。 |
5. 設置の自由度 |
△(壁がある場所限定) |
◎(独立設置が可能) |
庭の好きな場所にスペースを作りたいならパーゴラ。 |
6. 費用・価格帯 |
比較的安価な傾向。 |
高価になる傾向。 |
初期費用を抑えたいならオーニング。 |
7. メンテナンス |
生地の清掃、定期的な生地の交換(5~10年の目安)が必要。 |
木製の場合は数年ごとの再塗装が必要。アルミ製は基本的にメンテナンスフリーだが、屋根材の清掃は必要。 |
手軽さを求めるならオーニング(ただし生地交換のコストは考慮)。 |
3.あなたはどっち?目的・シーン別おすすめ診断
比較表で違いが見えてきたところで、より具体的に「我が家(うちの店)にはどちらが合うの?」という疑問にお答えします。よくあるケースごとに、おすすめの選択肢を見ていきましょう。
【住宅向け】こんな方には「オーニング」がおすすめ!
- ケース1:リビングの掃き出し窓からの西日を防ぎたい
→ 窓からの日差しをピンポイントで遮るのがオーニングの得意技。夏場の室温上昇を抑え、エアコンの効率を上げる省エネ効果も期待できます。 - ケース2:夏の間だけ、手軽に日よけスペースが欲しい
→ 使わない季節は収納しておけるオーニングが最適。建物の外観を損なわず、必要な時だけ快適な空間を作れます。 - ケース3:突然の雨でも慌てない、ちょっとした洗濯物干しスペースが欲しい
→ 小雨程度であれば、オーニングが屋根代わりになります。ベランダでの洗濯物干しに便利です。 - ケース4:道路や隣家からの視線を遮り、プライバシーを確保したい
→ オーニングの角度を調整すれば、外からの視線を効果的にカットできます。カーテンを閉め切らずに過ごせるので、室内の開放感も保てます。
【住宅向け】こんな方には「パーゴラ」がおすすめ!
- ケース1:庭に「アウトドアリビング」のような特別な空間を作りたい
→ パーゴラは空間を定義づけるのに最適。テーブルセットを置けば、食事やティータイムを楽しむ第二のリビングになります。 - ケース2:天候を気にせずBBQやガーデンパーティを楽しみたい
→ しっかりとした屋根材(ポリカーボネートなど)を取り付けたパーゴラなら、日差しも雨も気にせず楽しめる全天候型のスペースが実現します。 - ケース3:バラや藤、キウイなどを育てて、おしゃれなナチュラルガーデンを作りたい
→ まさにパーゴラ本来の役目。植物を絡ませることで、木陰のような心地よい日かげと、美しい景観の両方を楽しめます。 - ケース4:ウッドデッキ全体をすっぽり覆う、恒久的な屋根が欲しい
→ ウッドデッキのサイズに合わせて設計できるパーゴラなら、一体感のある広々とした屋根付き空間が手に入ります。
【施設オーナー様向け】店舗・施設での活用事例
オーニングが活躍するシーン
- カフェ・レストランのテラス席: おしゃれなキャンバスは集客効果も抜群。手軽に快適なテラス席を増設できます。
- 店舗のエントランス: お客様を強い日差しや雨から守り、ブランドカラーのキャンバスで店舗の認知度を高めます。
パーゴラが活躍するシーン
- 開放的なレストランのダイニングスペース: 広い敷地を活かし、パーゴラでリゾートのような特別な空間を演出。客単価アップにも繋がります。
- 商業施設のイベントスペースや休憩所: お客様が快適に過ごせる休憩スペースを提供することで、施設の付加価値を高めます。

4.知っておきたい注意点と法律の話
設置してから「知らなかった」では済まされない、重要な注意点と法律について解説します。
オーニング設置の注意点
- 取り付け壁の強度: オーニングは本体重量に加え、風の力もかかるため、取り付け壁には十分な強度が必要です。特にALC壁やサイディングの場合は、内部の構造を確認し、適切な補強が必要になることがあります。必ず専門業者に現地調査を依頼しましょう。
- 強風時の管理: 「これくらい大丈夫だろう」という油断が破損につながります。風の強い日は必ず収納する習慣をつけましょう。自動で収納してくれる「風力センサー」のオプションも検討価値ありです。
- 定期メンテナンス: 美しい状態を保つには、定期的な清掃が必要ですが高所作業になるので安全には十分注意してください。経年劣化した場合は、生地を張り替えることでプチリフォームが可能です。
パーゴラ設置の注意点
- 建築確認申請の要否: パーゴラは「建築物」とみなされる場合があります。特に「屋根があり、壁で三方を囲まれていない場合でも、床面積が10㎡を超える」ケースや、防火・準防火地域では、建築確認申請が必要になる可能性が高いです。これを怠ると法律違反となり、後から撤去命令などを受けるリスクもあります。自己判断せず、必ず設計・施工を依頼する専門業者や自治体の建築指導課に事前確認を行いましょう。
- 基礎工事の重要性: パーゴラは重量のある構造物です。安全性を確保するため、地面にコンクリートで基礎を打つ工事が不可欠です。DIYで行う場合も、この工程は省略できません。
- 固定資産税について: 屋根と柱があり、三方が壁で囲まれているような「家屋」と判断されるパーゴラ(サンルームなど)は、固定資産税の課税対象になる場合があります。一般的なパーゴラであれば対象外となることが多いですが、気になる場合は事前に市町村の資産税課に確認すると安心です。
5. いいとこ取りの第3の選択!進化した「パーゴラオーニング」
「オーニングの手軽さも、パーゴラの居住性も捨てがたい…」 そんな欲張りな願いを叶えるのが「パーゴラオーニング(開閉式テント)」です。
これは、パーゴラのようなしっかりとした骨組み(フレーム)に、電動などで開閉できる布やアルミ製の屋根(ルーバー)を取り付けた製品です。
メリット
- 晴れた日はフルオープン、日差しが強い時は閉じるなど、天候に合わせて自由自在。
- 雨や風に非常に強く、半屋外の空間として年間を通して活用できる。
- デザイン性が高く、住宅や施設をモダンでラグジュアリーな印象に格上げする。
デメリット
- オーニングや一般的なパーゴラに比べ、費用は高額になる傾向があります。
最高の快適性とデザイン性を求める方や、天候に左右されない収益性の高いテラス空間を作りたい施設オーナー様にとって、非常に魅力的な選択肢と言えるでしょう。
6.失敗しないための業者選びのポイント
オーニングもパーゴラも、決して安い買い物ではありません。満足のいく仕上がりを実現するためには、信頼できる業者選びが最も重要です。
- 実績の確認: オーニング、パーゴラ両方の施工実績が豊富か、ウェブサイトなどで施工事例を確認しましょう。
- 現地調査の丁寧さ: 設置場所の壁の材質、地面の状態、日当たりの方向などを細かくチェックし、最適なプランを提案してくれる業者を選びましょう。
- 専門知識の有無: 建築確認申請など、法律に関する知識を持ち、適切なアドバイスやサポートをしてくれるかは非常に重要です。
- アフターフォロー: 「設置したら終わり」ではなく、その後のメンテナンスや万が一のトラブルにも迅速に対応してくれる、保証がしっかりした業者を選びましょう。
- 相見積もりの実施: 必ず2~3社から見積もりを取り、価格だけでなく、提案内容や担当者の対応を総合的に比較検討することが、後悔しないための鉄則です。
7.まとめ
今回は、オーニングとパーゴラの違いについて、多角的に比較・解説してきました。
最後に、この記事のポイントをもう一度おさらいします。
- オーニングは、壁に取り付ける「可動式の日よけ」。手軽に日差しを調整したい、初期費用を抑えたい方におすすめです。
- パーゴラは、柱で支える「空間を作る構造物」。庭に新たな空間を作りたい、雨や風に強い全天候型のスペースが欲しい方に向いています。
どちらか一方が優れているというわけではなく、あなたの目的、ライフスタイル、設置場所、そして予算によって最適な選択は変わります。まずは専門業者に相談し、あなたの理想の空間のイメージを共有することから始めましょう。プロの視点が加わることで、自分では思いもよらなかった最適なプランが見つかるはずです。
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