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防煙区画とは?壁の仕様や設置基準、緩和規定を徹底解説

防煙区画とは?壁の仕様や設置基準、緩和規定を徹底解説

建築物の設計において、避難安全性を確保するために欠かせないのが「防煙区画」です。火災が発生した際、人命を奪う最大の原因は「火」そのものではなく「煙」だと言われています。煙の拡散を物理的に食い止め、安全な避難時間を稼ぐための防煙区画は、建築基準法(施行令第126条の3)で厳格に定められています。

しかし、いざ実務で設計を進めると、「壁の材質はどうすべきか?」「天井裏の処理はどこまで必要か?」といった細かな仕様で迷うことも少なくありません。本記事では、防煙区画の基本的な設置基準から、壁の具体的な仕様、さらには設計の幅を広げる緩和規定まで、実務者が知っておくべきポイントを徹底解説します。

\防煙区画を設計する上で大切なポイント/

POINT1
「排煙設備」との連動をセットで考える
POINT2
「メンテナンス性」と「地震時の安全性」

1.防煙区画とは?知っておきたい基本的な設置基準

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防煙区画とは、火災時に発生する煙が建物全体に広がるのを防ぐため、建築物の内部を一定の面積ごとに区切る区画のことです。まずは、その「基本ルール」を整理しましょう。

1.「500㎡以内」と「竪穴」が設置のポイント

      • 床面積500㎡以内ごとの区画:建築基準法施行令第126条の3により、延べ面積が500㎡を超える建築物(※用途や階数による)では、床面積500㎡以内ごとに防煙壁によって区画しなければなりません。これが防煙区画の最も基本的な単位です。
      • 竪穴部分(階段・エレベーター等):面積だけでなく、階段や吹き抜け、エレベーターの昇降路といった「竪穴部分」も重要です。煙は垂直方向に高速で移動するため、下の階から上の階へ煙が流れる恐れのある部分についても防煙区画が必要となります。

2.区画に使用できるのは「不燃材料」のみ

防煙区画を構成する壁や垂れ壁は、必ず「不燃材料」で造るか、これらで覆う必要があります。主な材料には、不燃ガラス・不燃シート・金属・不燃材料(ボード)などがあります。

3.「防煙」と「防火」の違いを理解する

よく混同されるのが「防火区画」です。

・防火区画:「火」の延焼を防ぐ(耐火構造の壁、防火戸など)
・防煙区画:「煙」の流動を防ぐ(不燃材料の壁、防煙垂れ壁など)

防火区画は防煙区画を兼ねることができますが、逆は必ずしも成立しません。防煙区画はあくまで「煙」をコントロールするためのものであることを念頭に置きましょう。

2.防煙区画を構成する防煙壁の仕様とは

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防煙区画を形成するための「防煙壁」には、大きく分けて3つのパターンがあります。それぞれの仕様と設計上の注意点を詳しく見ていきましょう。

① 防煙垂れ壁

天井から一定の高さまで突き出した壁を「防煙垂れ壁」と呼びます。天井付近に溜まる煙の性質を利用し、煙が隣のエリアへ流出するのを一時的に堰き止める役割を果たします。

      • 高さ制限:天井から50cm以上突き出させることが必須です。
      • 構造:固定式のほか、煙感知器と連動して降下する「可動式」もあります。
      • 納まりの注意:垂れ壁の高さが足りないと、煙がすぐに溢れてしまい、区画として機能しません。

② 防煙間仕切り壁

床から天井までを完全に仕切るタイプです。通常の部屋の壁を防煙区画として利用する場合がこれに該当します。

      • 「天井裏」が最大の落とし穴:最も多いミスは、壁を天井板(仕上げ材)で止めてしまうことです。防煙壁は、天井板を貫通して上階のスラブ(床裏)や屋根裏まで確実に到達させなければなりません。天井裏に隙間があると、そこを通って煙が隣室へ漏れてしまうためです。
      • 貫通部の処理: 配管やダクトが防煙壁を貫通する場合、その隙間をモルタルやロックウールなどの不燃材料で埋める(埋め戻し)処理が必要です。

③ 防煙垂れ壁+不燃材料の扉(常時閉鎖式または煙感知器連動)

人が通行する開口部がある場合は、垂れ壁と「扉」を組み合わせます。

      • 扉の仕様:扉自体が不燃材料で作られている必要があります。
      • 閉鎖方式:常に閉まっている「常時閉鎖式」か、火災を感知した際に自動で閉まる「煙感知器連動閉鎖式」のいずれかでなければなりません。
      • 遮煙性能:扉には「遮煙性能(煙を通さない構造)」が求められます。パッキンの有無など、製品の仕様書を必ず確認してください。

3.設置が免除・緩和されるケース

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防煙区画は原則として必要ですが、建物の用途や他の設備との兼ね合いで、設置が免除されたり、面積制限が緩和されたりするケースがあります。

1.天井高さによる緩和

天井が高い空間では、火災が発生しても煙が天井付近に溜まるまでに時間がかかり、避難の安全性が確保しやすいとされるため、防煙区画や排煙設備の設置が緩和される場合があります。

代表的なものとして、「天井の高さが3メートル以上」ある部屋で、内装を不燃材料で仕上げ、かつ壁(床から2.1メートル以上の部分)も不燃材料とした場合、防煙壁による区画(500㎡以内ごとの区画)を免除できる規定があります。

また、体育館や工場の作業場のように、天井が非常に高く(概ね6メートル以上)、かつ開放的な空間であれば、計算によって避難の安全性が証明されることで、排煙設備そのものの設置が免除されるケースもあります。ただし、これらは天井が高いことだけでなく「内装の不燃化」や「開口部の面積」などがセットで条件となるため、事前の詳細な検討が不可欠です。

2.内装の不燃化による区画の緩和

排煙設備が設置されている建物において、壁および天井の仕上げを「不燃材料」とし、かつ下地も不燃材料で作られている場合、防煙壁(垂れ壁など)によって区画すべき面積を拡大できる、あるいは区画そのものを不要とできるケースがあります。

例えば、床面積1,000㎡以内の建築物(または火災が発生した際に避難が容易な特定の階)において、内装を不燃化し、かつ適切な排煙能力を確保することで、防煙区画の設置義務が免除される規定(令第126条の2第1項ただし書き)などが代表的です。

ただし、これらの緩和は天井の高さや、その階の用途、自治体独自の指導(火災予防条例等)によって条件が細かく異なります。適用にあたっては、必ず最新の告示や特定行政庁の判断を確認してください。

3.スプリンクラー等の設置による免除

スプリンクラー設備、水噴霧消火設備、または泡消火設備などが設置されている場合、火災時の初期消火と発煙抑制が期待できるため、防煙区画の設置(および排煙設備の設置)が免除される規定があります。

具体的には、スプリンクラー等が設置されており、かつ床面積が200㎡以下ごとに準不燃材料の壁や防煙壁で区画されている部分は、排煙設備の設置義務から除外されます(令第126条の2第1項第4号)。また、大規模な空間であっても、一定の条件を満たすことで実質的に防煙区画の制限を受けずに設計できる場合があります。

ただし、この緩和を受けるには「天井および壁の仕上げ(内装)が不燃・準不燃であること」など、他の防火性能とセットで判断されることが一般的です。スプリンクラーがあるからといって無条件に区画が不要になるわけではないため、設計の際は消火設備と内装制限の整合性を必ず確認してください。

4.【まとめ】意匠と安全を両立させるなら「不燃シート製」が正解

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防煙区画の設計において、かつて主流だったのは「網入りガラス」の垂れ壁でした。しかし、ガラス製には地震時の破損リスクに加え、どうしても見た目の圧迫感が強く、空間の広がりを邪魔してしまうという課題がありました。

そこで現在の設計現場で選ばれているのが、不燃シート製の防煙垂れ壁です。

BXテンパルの「ケムストップⅡ」が選ばれる理由

BXテンパルの不燃シート製防煙垂れ壁「ケムストップⅡ」は、これまでの課題を一掃するソリューションを提供しています。

  • 圧倒的な安全性:不燃シートを使用しているため、地震が発生しても割れることがありません。破片による二次被害を防ぎ、避難通路の安全を守ります。
  • 優れた意匠性:透明度が高く、フレームもスリムなため、店舗やオフィスの開放感を損ないません。
  • 施工の簡便さとコスト削減:ガラスに比べて非常に軽量なため、現場での取付負荷が小さく、「施工費の軽減」にも繋がります。また、建物への構造的負担も軽減されます。

「ルールだから仕方なく設置する」のではなく、最新の部材を選ぶことで、「法適合」「デザイン」「安全性」のすべてを高いレベルで両立させることが可能です。

防煙区画の詳細な設置基準や、現場での具体的な納まり、最新の製品ラインナップについてより詳しく知りたい方は、お気軽にお問い合わせください。

正しい知識と最適な部材選びで、より安全で美しい建築設計を目指しましょう。


防煙垂れ壁とは?

防煙垂れ壁とは?

防煙垂れ壁の設置基準や、種類について詳しく解説しています。

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