安全なオーニングの取付方法とは?|建物に合わせた選び方

オーニングを住宅やお店に設置したいと思ったとき、まず何から考えればよいか迷うことが多いと思います。
なかでも一番に確認が必要なのは、オーニングの取り付けができるかどうかです。誤った施工方法では、壊れたり落下する原因となってしまいます。
30年以上オーニングを製造販売、工事を行ってきたメーカー視点から、オーニングを取り付ける際に気をつけるポイントをお伝えします。
1.オーニングの重量+風荷重で考える
オーニングの取り付けが可能かどうかを考えるときに最も気をつけるポイントは、オーニング本体の重さとオーニングが受ける風荷重です。
壁面の強度を検証するときには、オーニング本体の重さだけではなく、風が吹いたときにオーニングが受ける荷重を加算した負荷に耐えられるか、という点を検証する必要があります。
例えば、強風時には、オーニングの根元にあるブラケット1ヶ所あたり、最大で300㎏相当の荷重がかかる計算となります。
オーニングそのものの重量以上の大きな負荷がかかるため、建築物の構造によっては、オーニングの取り付けができる建物、できない建物があります。
弊社のガイドラインでは、安全に利用するには柱や梁、構造壁などの強固な構造体への取り付けを原則としています。
- ×:外壁材のみへの取り付け
- 〇:強固な構造体への取り付け
強度が確保できなかったり、取り付け方法が悪い場合は、破損や落下につながるため十分ご注意ください。
2.建物の種類別のオーニング取り付け方法とは
それでは具体的にどのように取り付ければ良いのでしょうか。
建物の躯体ごとに、取り付け方法を詳しくご説明します。
※ここではニュースーパーマキシム・スタンダードタイプの納まりの違いで比較します。
【RC造/鉄筋コンクリート造の場合】
RC造、鉄筋コンクリート造とは、鉄筋で組んだ骨組みに対し、コンクリートを流し込んで固めた構造で、強度に優れた建築構造の種類です。
その高い強度からビルやマンションなど、中低層の建築物に多く採用されています。
RC造の場合、外壁自体が強度の高い構造体のため、そのままアンカーを打つことが可能です。
オールアンカーM10を利用し、壁面に取り付けます。
RC建築物では、比較的自由にオーニングの取付位置を決めることができます。
【木造/在来工法の場合】
木造(木構造)とは、骨組みが木材でできた建物のことをいいます。
木造には種類があり、オーニングを取り付けできる種類とそうでない種類があります。柱・梁で構成される木造軸組工法(在来工法)にはオーニングの取り付けが可能ですが、木枠と合板で構成される木造枠組工法(ツーバイフォー工法)にオーニングを取り付けるには、躯体の強度が不足しているため、オーニング用の下地が必要となります。
木造、在来工法の場合、締結はコーチボルトで行います。
強度を確保するため、コーチボルトは65㎜以上埋め込むことが設置条件となります。そのため、取り付け用の下地にはコーチボルトが締結可能な梁材または柱材が必要です。
また、取り付け用の下地~外壁仕上がり面まで距離がある場合は、オーニング取り付け時に外壁材の沈み込みを避けるため、スペーサー(パッキンパイプ)などを用いて対処します。
また木造の場合、取付強度が十分確保できないため、天井付けでの取り付けはできません。
【ALC外壁/鉄骨造の場合】
鉄骨造とは、鉄骨の柱や梁で構成された建築構造を指します。
現在の建築ではALC(軽量気泡コンクリート)パネルと組み合わせることが多くあります。
ALCパネルは気泡を含む軽い外壁材ですが、ALCパネルにオーニングを設置することは基本的にNGです。
建材として、オーニング取り付けの強度が十分ではないからです。
弊社でオーニングを取り付ける場合には、上記のような設置方法を行います。
後付けで施工の際、外壁を切り欠き、構造体から下地金物を持ち出します。
下地金物は構造体に溶接で取り付けします。
現場作業が大掛かりであるため、事前の打ち合わせが必要となります。
3.躯体構造別のオーニング推奨機種
躯体 | オーニングの推奨機種 |
RC造 | ニュースーパーマキシム、メロディー、エルパティオ・プラス、まどかぜ・エントリー |
木造/在来工法 | エルパティオ・プラス、まどかぜ・エントリー ※ニュースーパーマキシム、メロディーはオプションのベースプレートが必要となる場合があります。 ※天井付けでの取り付けはできません。 |
ALC外壁/鉄骨造 | ニュースーパーマキシム、メロディー ※エルパティオ・プラス、まどかぜ・エントリーは本体高さが低いため、外壁を切り欠いた穴が隠れない場合があります。 |
4.まとめ
オーニングを設置する際の重要なポイントをまとめると次のようになります。
- 建物、躯体の種類を確認する
- 建物にあった最適な機種を選ぶ
- 安心できる施工業者に工事を依頼する
BXテンパルはオーニングテント専門のメーカーとして、30年以上、製造から販売、工事に至るまで一貫体制で事業を進めてきました。
オーニングの取り付けに心配事などがある場合には、是非お問い合わせください。これまでの実績を踏まえて、ベストなご提案をさせていただきます。
より多くの方に、オーニングのある暮らしや、お店づくりをお届けできるように、誠心誠意ご対応させていただきます。