防鳥ネットとは?工場・倉庫の鳥害対策の選び方とメリットを解説
工場や倉庫、物流センターなどの施設管理において、鳥による被害(糞害、騒音、異物混入など)は深刻な経営課題となり得ます。忌避材や威嚇装置など様々な対策グッズが存在しますが、最も確実性が高く、多くの企業で採用されているのが「防鳥ネット」による物理的な対策です。
この記事では、BtoBの施設管理担当者様に向けて、「防鳥ネットとは何か」という基礎知識から、失敗しない選び方のポイント、そして用途別に推奨される3つの規格(15mm・25mm・40mm)についてプロの視点で徹底解説します。
\防鳥ネットのポイント/
- POINT1
- 防鳥ネットは鳥害への基本的な対策手段
- POINT2
- 対象の鳥に対する適切な目合、防炎性能の要否が重要
目次
5.まとめ
1.防鳥ネットとは?物理的遮断が選ばれる理由
防鳥ネット(ぼうちょうねっと)とは、合成繊維などで作られた網状のシートを建物の開口部や天井、庇(ひさし)などに張り巡らせることで、鳥の侵入を物理的にシャットアウトする設備のことです。
なぜ鳥害対策には防鳥ネットなのか
鳥害対策には「光」「音」「臭い」「磁気」などを用いる方法もありますが、これらは鳥が慣れてしまうと効果が薄れる場合があります。対して防鳥ネットは、物理的にネットで「壁」を作る対策の、侵入阻止効果が持続する点が最大のメリットです。
また鳥だけでなく、野良猫や小動物の侵入防止(防猫)や、不審者の侵入を防ぐセキュリティ対策(防犯)としても効果を発揮するネット工事は、施設の安全性向上に寄与します。
企業が守るべき3つの価値
- 衛生管理: 糞や羽毛の落下による製品汚染、異物混入を防ぎます。特に食品工場ではHACCP対応として必須の対策です。
- 資産保全: 酸性の糞による建物や設備の腐食、保管商品(段ボール等)の汚損を防ぎます。
- コンプライアンス: 労働安全衛生法の遵守や、鳥インフルエンザ等の感染症リスク管理として機能します。
2.失敗しない防鳥ネットの選び方|3つのチェックポイント

防鳥ネットなら何でも良いというわけではありません。
設置環境や対象となる鳥に合わせて適切なスペックを選ばなければ、「ネットを張ったのに鳥が入ってくる」「消防検査に通らない」といった失敗を招きます。
1. 対象の鳥に合わせた「目合(網目の大きさ)」
最も重要なのが「目合」です。対象となる鳥の体長よりも小さな網目を選ばなければ意味がありません。
- 15mm目: スズメ等の小型鳥類(食品工場・衛生重視)
- 25mm目: ハト・ムクドリ等(物流倉庫・標準)
- 40mm目: カラス等の大型鳥類(屋外・視認性重視)
2. 工場・倉庫に必須の「防炎性能」
可燃物が置かれる倉庫や、火気を使用する工場では、万が一の火災時に延焼を防ぐため、「防炎物品」の使用が消防法等で求められる場合があります。
安価なネットの中には燃えやすい素材のものもありますが、BXテンパルの防鳥ネットは、自己消火性を持つ「難燃ポリエチレン」を使用した防炎認定品をラインナップしています。
3.【用途別】BXテンパルが推奨する3つの防鳥ネット
BXテンパルでは、あらゆる鳥害リスクに対応するため、主に3つの規格を推奨しています。
①【防鳥ネット15】スズメ対策・衛生重視

推奨:食品工場、医薬品倉庫、精密機械工場
スズメはわずか20mm程度の隙間があれば侵入してしまいます。一般的なネットでは防ぎきれないスズメの侵入を、「15mm」という極細の目合で完全にシャットアウトします。
異物混入が許されない食品工場や、高度なクリーン環境が求められる現場に最適です。
- 特徴: スズメ適合、高い物理遮断性(有結節)
②【防鳥ネット25】ハト対策・物流標準
推奨:物流センター、配送倉庫、一般工場
ハトやムクドリの被害に悩む現場に最適なのが、「25mm」目合のネットです。
15mmタイプに比べて軽量でコストパフォーマンスに優れており、広大な面積を覆う物流倉庫の天井など採用されています。
- 特徴: ハト・ムクドリ適合、軽量・衛生的な無結節
③【防鳥ネット40】カラス対策・視認性重視
推奨:プラント、ハンガー、半屋外ヤード、スポーツ施設
カラスなどの大型鳥類の侵入を防ぎつつ、開放感を維持したい場所には「40mm」目合が選ばれます。
網目が大きいため、人間の目にはネットがほとんど見えず、視認性や採光性を損なわないのが特徴です。「鳥は防ぎたいが、閉塞感は出したくない」という半屋外のスペースに適しています。
なお閉塞感をなくすために、ネット自体の色を変更するケースもあります。定番色グリーン以外にも、ネットが目立ちづらいグレーカラーもご用意があります。
- 特徴: カラス・大型鳥適合、圧倒的な開放感(視認性)
4.現場環境に合わせた施工ソリューション

最適なネットを選んでも、取り付け方法が適切でなければ効果は半減します。
- ネットクランプ工法: 建物に穴を開けずにH鋼にボルト固定する工法。賃貸物件や火気厳禁エリアでも施工可能です。
- カーテン・ファスナー加工: 荷捌き場や点検口など、人の出入りが必要な場所には、開閉可能なカーテン式やファスナー加工を施すことで利便性を確保します。
その他、現場の形状や制約に合わせた様々な工法があります。柔軟な対応が可能ですので、お気軽にご相談ください。
5.まとめ

防鳥ネットは、工場や倉庫の資産と信用を守るための重要なインフラです。「どのネットを選べば良いか分からない」「特殊な形状の建物に取り付けたい」といったお悩みをお持ちの方は、ぜひBXテンパルにご相談ください。
対象の鳥種や現場の状況に合わせて、最適な「目合」と「工法」をご提案いたします。
産業施設の問題解決

工場や物流倉庫など、産業施設のシート間仕切りを使った問題解決事例をお伝えします。












